庭への想い
「もし、最も重要で同時に最も求められるべき芸術品は何か、と問われれば私は間違いなくこう答えるだろう。 “美しい庭と” 」
私達の祖先は山・水・岩・樹木・大地など無限に広がる自然を神と考え、信仰の対象にしていました。
庭の始まりは、自然の景観を身近に造り、神々と共に暮らす空間を造り始めた事に由来します。
祖先の功績を称え、私は美しい空間を「庭」と、考えています。
自然の師
私の住まいは奈良県の高山という田舎町にあります。
深い森林に囲まれた山々は、緑の大聖堂のごとく静かな存在でこの地に静謐さをたたえています。
毎年、新たに産声をあげる新緑や、散り敷いた鮮やかなモミジやメタセコイアの落葉道、朝露が葉先に集まり、雫となって静かに落ちる音が聞こえるほど静寂を守った森では、重なる落ち葉の踏み音が森の歴史を語ります。太陽を燦燦と浴びる葉や大地から潤いを享受する木々は生への歓びを詩っている。
それらは、感性の泉を覗き見るように私に多くの知識やアイデアを注いでくれる「自然の師」です。
庭の役割に想う
公共、都市の庭や個人邸の庭、大自然の山や川に造る庭やコンクリートで囲まれた空間に造る庭、現代の庭の定義を「人のかかわる美しい空間」とするなら、「美しい」、「大事」、「守る」など様々な感情を育てる場所が、庭の役割であってほしい。
また、庭という空間を造ろうと考えた時には、人間がその数と力によって大地を覆っていた多くの植物達を失った事を忘れず、その地域に元々あった原産植物に、少しの場所を明け渡す努力と勇気を持ってほしい。私達は事実を知る時間と、歴史から多くを学ぶ時間を持たなければならない。
「“芸術の子孫”の中で庭ほど優しいものはない」
作例の特徴
古材と呼ばれるあらゆる古い物を有効利用して温故知新の世界を創造。
作品に内面性(意味)がありながら、意外性を持たせる。
庭の歴史を学び、本物を創りながら現代的な要素をコラボさせる。

